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ブロックチェーン週報3/1

電通国際情報サービス、クロスイノベーション本部、オープンイノベーションラボの比嘉です。 ブロックチェーン週報3/1いってみようか。今週から基本、火曜日に出すことにしました。

Web3

前回、Web3とは、サービスの運営者(中央管理者)がサービスを独占せず、ユーザーもサービスの運営に関われるようなサービスのことだという話をしました。 これだとまだ抽象的なので、イメージがわかないでしょう。

DeSciの記事がWeb3の流れそのものなので、記事を見た上で僕の説明を読むとWeb3が理解できるんじゃないかと思います。

DeSciを求める科学者の背景 ver 1.0

科学者は、自分の研究や論文が多くの人たちに役立てられることを望んでいます。しかし、力の強い出版社がいるので、それがかないません。 研究にはお金がかかりますがその調達も難しくなっています。

だから、自分たちの研究が多くの人に役立てられるようなプラットフォームを望んでいます。資金調達がしやすくなることも望んでいます。

Web3は、音楽がわかりやすいので、音楽にたとえます。

アーティストは、自分の音楽を多くの人に聞いてほしいと思っています。 しかし、力の強いレーベルがいるのでそれがかないません。 レーベルが売れると思った曲しか世に出ないので、自分の自由に音楽を世に出すこともできないのです。

音楽業界では、売上のうちアーティストに払われる割合は、わずか12%です。プラットフォームやレーベルが残りを全部持っていきます。

アーティストは自由に曲を発表でき、ファンに聞いてもらえるようなプラットフォームを望んでいます。そして、そのプラットフォームから活動資金を得ることを望んでいます。プラットフォームやレーベルが過剰にお金をとっていくことは望んでいません。

ほとんど構造は一緒です。科学者やアーティストが自分のやりたいことをできないのは、強い出版社や強いレーベル/ストリーミングプラットフォームがあるからです。 「そこを排除して、サービスを自分たちの手に取り戻し、活動資金も調達しやすくしたい」この動きがWeb3なんじゃないかと思います。

Web3のニュース

「YouTubeの将来を語るうえでメタバースに触れないわけにはいきません」YouTubeがメタバース参入検討、Web3も示唆

カニエ・ウエストの最新アルバム『Donda 2』は専用プレイヤーのみで販売。配信はされません!

技術的にはWeb3とは無関係ですが、アーティストが音楽を自分で管理しようとするWeb3的な動きです。

PoWへの批判

PoWとは、Proof of Workの略で、BitcoinやEthereumで使われている仕組みで、ブロックを生成するときに解くのに時間がかかる暗号問題を解く必要があります。 PoWにおける電気消費量が多く、環境に優しくないと批判されています。この批判の声がより大きくなってきました。

PoWへの批判のニュース

テスラ取締役のキンバル・マスク氏、同社がビットコインを購入した際の環境影響について「無知だった」と発言

EUがビットコインを禁止へ! 法案では、2025年初から、EU内ではビットコインに関するすべてのサービスは違法となる。PoWで電力を浪費し、「環境にやさしくない」のが禁止の理由のよう。

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執筆:@higa、レビュー:@sato.taichiShodoで執筆されました