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ISIDがテックブログを始めた理由

みなさんこんにちは、ISIDテックブログ編集部の電通国際情報サービス(ISID) 金融ソリューション事業部の石沢です。ISIDは2021年11月にISIDテックブログを開始し、現時点で50記事を公開しました! これまでISIDテックブログは社内的に「トライアル」の位置付けでしたが、今月から正式運用へ移行することにもなりました。本記事では、ISIDテックブログをはじめようと思った理由、ねらい、やってみてわかったことについて、ふりかえってみたいと思います。 ISIDオフィスの雰囲気

ISIDがテックブログをはじめた理由

現在、さまざまな企業がそれぞれの目的でテックブログを運用しています。マーケティングや人事施策などのトップダウンなアプローチでテックブログを運用している企業も多いと思います。それとは逆に、エンジニア社員の「やってみたい」という気持ちを中心としてボトムアップに開始する場合もあるでしょう。ISIDテックブログは、まさにエンジニア社員の「やってみたい」から生まれています。より正確に言うと「やってみた」というところです。

ISIDは、ボトムアップの改善活動が実は活発です。部門を横断したさまざまな組織改善のプログラムが常時実行されています。専門の本部部署が何かを検討するというよりは、顧客もビジネス形態も異なる部門のメンバーが集結して、社の課題について議論を行い、解決策を組織マネジメントに提言し、実行することが許されるような文化です。 ぶっちゃけ「やってみたい」と言えば「やってみれば」と言われる雰囲気があります(本記事では深く取扱いませんが、自社の行動指針も AHEADというワードを採用しています)。

2020年に発足した、ISIDグループの長期成長を支える事業基盤の構築を目指し、新たな業務プロセスや働き方を検討する社内プロジェクトの一つである「ワークトランスフォーメーションプロジェクト」というものがあります。ここから派生した技術分科会の2021年度活動から出てきたアイデアの一つが「テックブログの開設」でした。

  • そもそも社内でもいろいろな事にチャレンジしているエンジニアがたくさんいるけど、情報がうまく共有できていない
  • 社会から見るとISIDのエンジニア像がまったく見えていない(見せていない)
    • そもそもISIDにエンジニアがいると思われていないかも(広告会社のシステム部という誤解もありそう)
    • ISIDのエンジニア像を知ってもらい、共感した人にジョインしてもらいたい
  • ブログを書くのはエンジニアとしての成長機会でもあるよね
    • 実際、個人ブログをやっている人もいるけど、続けるのは大変
    • もし会社で書けるハコがあれば、書く事はいっぱいある
  • もう、社としてのテックブログをやってみればいいのでは……
  • いまから準備始めれば、今年(2021年)のアドベントカレンダーに参戦できるんじゃないの?

夏ごろに上記のような話をして、もうあとは勢いでテックブログの開設へ!

ISIDテックブログのトライアルをはじめるにあたって

テックブログを実現する技術スタックの選定については、本テックブログの以下記事で紹介しているので本記事では省略します。テックブログの運用はトライアルであっても業務として扱うため、運用コストを抑えることが重要なテーマでした。そこで文章校正もできる執筆管理SaaSのShodoの採用は重要でした。

ISIDテックブログは社としての情報発信に当たることから広報部門との調整、組織が有しているソーシャルメディア利用に関するガイドライン、レビュープロセスを簡単に固めていきました。トライアルということもあり、問題が発生したら見直せば良いので骨子程度の簡単なもので済ませています。

だいたいの方向性が出たところで、ツール類の諸費用およびブログ執筆者とレビュアーの人件費をざっくり見積ってコストを取りまとめて、Makrdownで1ページくらいの企画書を書いてマネジメントと関係者に説明・承諾を得てスタートです。社内で執筆者を公募したところ、あまり苦労せず多様な執筆者を集めることができました(ちょっと心配だったのですが杞憂でした)。

結果として、2021年のアドベントカレンダーでは一日も欠かすことなく25記事を投稿することができました。記事の一覧は以下のとおりです。

トライアルでわかったこと

狙っていなかったのでよいのですが、テックブログは炎上もバズりもせずに、たんたんと続いています。一方で、いろいろとやってみてわかったことがあります。そのいくつかをご紹介します。

ISIDテックブログを始めたことがおどろかれた

ある程度予想していたことではありますが、SNSなどの反応を見ているとISIDがテックブログ始めたこと自体にいくつか反応をいただいていました。そもそもISIDが何をやっている企業かわかりにくいこともあると思います。多様なエンジニアが在席していることが示せたのは良かったと思います。

社内コミュニケーション活性化の効果もあった

社内の情報共有の仕組みは各種とりそろえてあるのですが、それでもなお、社内コミュニケーション活性化の効果があったと思います。ISIDテックブログは個人の視点で等身大の技術情報を発信することが特徴です。社内の情報共有というと「プロジェクトや仕事」「お客様」「活躍した人」を中心とすることが多く、割と(いろいろな意味で)デカい話ばかりになりがちです。テックブログに蓄積されるような、小さな情報も大事なんだと改めて気づかされたような気がします。

また「普段仕事で関わらない人の活動や考え方」「他部門、他部署の技術的なこと」がわかることも大きなメリットだと思います。他部門の同世代・同期の書いた記事に刺激を受けている人もいるとか・・・

個人の成長機会になることもわかった

アウトプットを通じて学びが深まり、自己成長するという話はよく聞きます。テックブログに記事を書く事が自己研鑽の機会づくりとして有効だったという声は社内からも上がりました。内容を整理し文書化するという活動が有意義なことに加えて、内容によってはシニアエンジニアや広報部門のレビューも入ります。普段の研究開発やクライアントワーク、プロジェクト活動では経験しにくい活動が良い刺激となっているようです。

そして正式運用へ

現時点で、ISIDテックブログを始めたことにはメリットしかなく、デメリットはほとんどないことがわかりました。そこで(別になにも変わらないのですが)改めて、ISIDテックブログはトライアルから「正式運用」へ移行することになりました。

テックブログ界には以下のような記事があり、当然参考とさせていただいています。

ISIDテックブログは当面以下の方針で継続する予定です。

  • 編集長は配置しない(有志による編集部で運用)
  • 数値目標などは設定しない(目安として週1程度の更新頻度は維持したいけど、ゆるく考える)
  • 匿名化はしない。レビューはやる。記事の執筆は業務。

死なないといいな・・・(上記ブログ記事に書かれている「テックブログが死ぬ条件」を意識しています)

テックブログのねらい、これから

改めて、ISIDテックブログのねらいを私たちはこのように定義しています。

  • 等身大のISID社員の姿をオープンに伝えていく
  • ISID社員が技術的な取組みを公開していく
  • 自らのアウトプットをする機会を通じて自分たち自身の能力を高める

実はISIDテックブログを企画推進していくにあたってよくあった意見の一つに「もっとトガった人が書くべきではないか・先進的な内容で技術をアピールしたほうが良いのでは」というものがありました。世の中にはそういった方針のアピールメディアとしてのブログもたくさんあることは理解していますが、議論の結果、われわれがやりたいことは違う、と結論づけています。わたしたちは、等身大の自分たちを共有していく方向で、これからもISIDテックブログを継続していこうと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございます。ISIDテックブログを引続きよろしくお願いします。

執筆:Ishizawa Kento (@kent)、レビュー:@higaShodoで執筆されました